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“幻のオペラ”白狐を上演

妙高市文化ホール、開館30周年を記念

2013年12月3日 12時00分 更新

“幻のオペラ”白狐を上演

 妙高市文化ホール開館30周年記念事業、オペラ「白狐(びゃっこ)」が1日、妙高市の同ホールで上演された。ソリストたちの力強い歌唱と表情豊かな演技、市民らでつくる合唱団の堂々とした歌声―。満席となった客席からは、カーテンコールでしばらく拍手が鳴りやまなかった。

 “幻のオペラ”として知られる岡倉天心の「The White Fox」が没後100年を経て妙高の地で上演。数多くのオペラを手がけ世界的な評価も高い平井秀明さんが、全3幕日本語版の世界初演として翻訳・台本・作曲を担当した。

 物語は、命を助けられた白キツネが、許嫁(いいなずけ)を連れ去られ落胆した領主に恩を返すため、許嫁である人間の姫に姿を変え領主と幸せに暮らすが、後に姫が領主を捜していることを知り自ら身を引き森へ帰るというもの。歌舞伎や瞽女唄でも知られる「子別れ」のシーンは物語のクライマックスとなっている。

 主役のコルハ/葛の葉役を務めた菊地美奈さんの美しく透き通るソプラノ、保名役の猪村浩之さんの愛をささやくテノール、敵役の悪右衛門を演じた豊島雄一さんの迫力あるバリトンがオペラの神髄を見せ、上越市出身の高橋維さん、テノールの大塚康祐さんが脇を固めた。また、5カ月間稽古を積んできた市民らによる白狐合唱団もステージにほぼ出ずっぱりで歌声を響かせ、迫真の演技も見せていた。

 上演後、主催した妙高文化振興事業団の入村俊幸理事長は「まずは無事に終わって良かった。感動、感銘を与えたオペラになった。市民の力が結集するとこれだけのものができる。改めて皆さまのご協力に感謝したい。これを糧に40周年に向け頑張っていきたい」と満足そうな表情で話した。

 指揮者も務めた平井さんは「最後は泣きそうになりました。迫真の歌唱、演技、たくさんの稽古…。岡倉天心の夢が100年かかってかなったことに感無量です。これを妙高の財産として、世界に発信していきたい」と話し、厳しい稽古を積んできた合唱団のメンバーを「合唱なしでは成立しない。皆さん、見事でした」とねぎらった。

 これまで幾度となく同ホールのステージに立った高橋さんは「ひとりで立つのとは景色が全然違う。オーケストラがあって、合唱がいて、舞台裏ではスタッフがいて、みんなで作り上げた舞台。客席からは温かく、感動してくださる様子が伝わってきた」と周囲への感謝の言葉を口にした。

 合唱団のテノール、清水敏之さん(69)は「初めての演技で緊張もしましたが感激しました。かなり苦労もしましたが、やって良かった」と声を弾ませた。

 親戚と一緒に鑑賞していた同市小出雲の男性(64)はステージに立った妻の姿に「すぐに分かった。良かった。一生懸命やっていたのを知っていますから…。昨日も11時くらいまで練習していました」と目を輝かせ話していた。

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◇12月3日 そのほかのニュース


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